P.O.P(Portrait.Of.Pirates) 10th ANNIVERSARY

2014.06.27

P.O.P航海日誌 最終章

皆様、こんにちは&こんばんは。
P.O.Pワンピースシリーズ開発担当、メガハウス金子です。

10周年にちなんで連載開始したこのコラムですが、
キリ良く10回目での最終回となりました。

正直、毎週コラムを書く時間を捻出するのは大変でしたが、
良い経験を積ませて頂けたと思っています。

さてお待たせしました、コラムの続きです。
-------------------------------------------------------------

P.O.P発売当時のメガハウス商品は、四半期(3ヶ月)に一度の受注。
現在のような毎月受注の形になったのはその1年後でした。

従って、ある程度予測での生産を行わなくてはならないのですが、
低めの目標数値に合わせた生産数量で社内決定し、
それでも埋まらない在庫分をどうにかするのが課題でした。

自分では、革新的なフィギュアが作れたと自負していました。
その想いは届かないのか、独りよがりなのか。
「よくわかんないからお前担当な」と無茶振りされながら、
一所懸命に営業してくれている営業担当のKさんにも
申し訳無いような気持ちが芽生えかけていました。

そんなある日、出社すると部下たちが何やら騒いでいます。
「見ました!?ねえ、金子さん、見ました!?」
そう言って差し出したのは・・・

『週刊少年ジャンプ』2004年22/23号。

今でも忘れられない、以下のコメントが巻末に掲載されていました。

バンダイグループのメガハウスさん
からルフィ、ゾロ、ナミのフィギュア
が出た。出来良過ぎ!!凄いよ。<栄一郎>

・・・・正直、嬉しいを通り越した感動と共に、大きなガッツポーズ。
届いた!自分の想いが、尾田先生に届いたよ!!
そんな気持ちで、一瞬で苦労が報われたように思えました。

尾田先生の巻末コメントに加え、
ジャンプ誌面でも写真を大きく扱って頂き、
なんとコミックスの投げ込みチラシも入れて頂いた関係で、
あれよあれよという間に在庫切れ。
なんと発売前から追加生産が決定するという
とんでもない大逆転劇がP.O.Pの道を切り開いてくれました。


その後は、だいたい皆さんも御存知の通りです。
御存知無い方は、まずは以下のムック本をご覧ください。
『ONE PIECE Portrait.Of.Pirates 公式ガイドブック POPs!』

入手困難かも知れませんが『ハイパーホビー 2012年5月号』にも
P.O.Pの熱いインタビュー記事がございますので、
機会あれば読んでみてください。

また、当時『ワンピースのフィギュア?面白いね!』と大きく扱ってくれた
ホビー誌の方が編集担当してくれたのが、以下のムックです。
『エクセレントモデルマニアックス』

ちなみに大恩人である営業のKさんからも
「お前は、本当~~~ッに、良く頑張ったな!」
と満面の笑みで嬉しい言葉を頂くことが出来ました。

今Kさんが在籍されている会社でも、
当時の苦労話を若い方に話されているそうです。
「最初からうまくいく仕事なんて無い。全てが積み重ねなんだ」
・・・と。


私はルフィと同じように、素晴らしい仲間に恵まれました。
正直、幾度となく挫折しそうになった時もありましたが、
仲間がいるから乗り切れたのは間違いありません。

P.O.Pシリーズは、非常に多くの方々の力によって作られ、
そして多くの方々によって皆様の所に届けられ、
世界中のお客様によって支えられているシリーズです。

もしかしたら、自分にとっての“ひとつなぎの大秘宝”が
このPortrait.Of.Piratesワンピースシリーズなのかも知れません。

この財宝ばかりは「欲しけりゃくれてやるぜ」とはいきませんが、
自分の全てが間違いなくそこに置いてあると思います。

これからもこの財宝が、より一層輝きを増すように、
P.O.Pシリーズの15周年、いや20周年を目指して頑張ります。

皆さん、付き合って頂けますか?

・・・・・。

うるせェ!!!いこう!!!!(どんっ!!)
---------------------------------------------------

長らくお付き合い頂いた航海日誌、
以上で更新終了となります。

毎週読んで頂いた方も、たまたま目を通された方も、
お付き合い頂いた全ての皆様に、心よりの感謝を申し上げます。

自分のコラムはこれで終了となりますが、
不定期ながらも何かしらの更新をしていく企画は立てていますので、
今後もちょくちょく見て頂けますと幸いです。

ではでは。

コメントを投稿する

  • ※コメントフォームに投稿頂きましたコメントは「プライバシーポリシー」に沿って
    メガホビHPにて掲載させて頂く場合がございます。

2014.06.20

P.O.P航海日誌 第五章

皆様、こんにちは&こんばんは。
P.O.Pワンピースシリーズ開発担当、メガハウス金子です。

前回もお伝えしました通り、今月いっぱいを持ちまして
このコラムの更新を終了する事となりました。

理由は諸々ございまして、一概に何がどうとは言えませんが、
皆様のご期待に応えるべくパワーアップ改装中ですので、
引き続きP.O.Pシリーズにご期待頂けますと幸いです。

さてお待たせしました、コラムの続きです。
-------------------------------------------------------------

株式会社メガハウスでは、ご好評を頂いている
彩色済み完成品ソフビ製フィギュアシリーズの新ラインとして、
 “ Portrait.Of.Piratesワンピースシリーズ ”を、
今春より発売いたします。

コミックス(1~31巻)の国内累計発行部数が9000万部を超え、
TVアニメも平均およそ15%の高視聴率をマーク、
昨年春公開の映画も200万人を動員するなど、
年齢・性別を問わず幅広い世代に
絶大な人気を獲得している大ヒット作品「ワンピース」。

その中から特に人気の高いメインキャラクター3人をピックアップし、
それぞれの魅力をハイクオリティな完成品フィギュアとして
立体再現するのがこの商品です。

ハイターゲット層を意識した造型アプローチによって、
過去に発売されたワンピース商品のイメージとは
一線を画す仕様になっているのが大きな特徴です。


「どうしたんだ急に!?」とお思いになったかも知れませんが、
当時(2004年)のプレスリリースの商品説明を抜粋してみました。

一点お気づきになられたかと思います。
当時は“彩色済み完成品ソフビ製フィギュアシリーズ”でしたので、
胴体や下半身などの大部分にソフビを使用しておりました。
ただ、ナミだけはスラッシュやローテーションといった
ソフビ成型向きのパーツがありませんでしたので、
全身をインジェクションで成型するという試みを取り入れました。

結果として金型&製造コストUPなどの問題点が生じはしましたが、
確実に一段階クオリティの高い製品を作る手応えが掴めました。

そう、これこそが今のエクセレントモデルにつながる第一歩だったのです。


原型監修もスムーズに行って頂き、製品開発も順調。
天気快晴!順風満帆!!
いざ、P.O.Pが出航だァ~~!!!

・・・と言いたいところではありましたが、
当時の私の社内評価は、曰く『芸術家気取り』。
商品として売れる物を作れる能力に欠けており、
ただクオリティの高い物を作れば良いと思っているだけの
曰く『会社にとっては害悪』な存在でした。
(当時言われたままを文字にしましたが、ちょっと傷つきますね)

確かにフィギュア担当としての大きな実績は無く、
(コミックスの付属フィギュアなど、あるにはあったのですが)
社内的にあまり信用されているとは言い難い状況でした。

結果、ある程度開発が進行していたにも関わらず、
(それこそ、コストも販売計画も承認されていたにも関わらず)
突如数量目標を大幅に下げるような命令が下され、
開発費用を大幅に圧縮しなければならない事態となってしまいました。

とは言え、今更大幅に圧縮出来る開発費用はありませんし、
目標を下げさせられた理由も、ひどく曖昧で根拠の薄い物でした。

関係各所にコストを少しずつ圧縮するような交渉と調整をしながら、
「こんな事に何の意味があるのか?これで良い商品が作れるのか?」
と自問自答しながら限界ギリギリまで目標数量を下げる毎日でした。

そんな中、数少ない理解者の一人だった営業のKさんから
「俺がちゃんと売ってきてやるから、自信を持って良い物を作れ」
と、事ある毎に励まされたのを今でも思い出します。

Kさんは今では別の会社で活躍されていますが、
自分が一番苦しいときも、ヒット商品を立て続けに出した時も、
変わらぬ態度で時に優しく、時には厳しく接してくれた大先輩です。
ルフィにとってのシャンクスみたいな存在、

もしくは、カティ・フラムにとってのトムさん的存在なのかもですね。

社内的に逆風の吹く中、ある出来事をきっかけに
状況は大きく変化することとなります。

そのある出来事、とは・・・・

---------------------------------------------------
今回はここまでです。

P.O.Pに限らず、このあたりのフィギュア誕生秘話に関しては
録音・撮影禁止のクローズされた空間で、
自分もお客様も酒が入った状態で語りたいですね(苦笑)。

航海日誌、次回でいよいよ最終回となります。
今少しの間、お付き合い願います。

ではでは。

コメントを投稿する

  • ※コメントフォームに投稿頂きましたコメントは「プライバシーポリシー」に沿って
    メガホビHPにて掲載させて頂く場合がございます。

2014.06.13

閑話休題ふたたび

皆様、こんにちは&こんばんは。
P.O.Pワンピースシリーズ開発担当、メガハウス金子です。

ご愛読頂いている皆様には誠に恐縮なのですが、
このコラムの連載を“今月いっぱい”で終了する事になりました。

勿論ですが、P.O.Pの商品展開が終了になるわけでも
10周年の様々な企画がなくなるわけでもありませんので、
そこはご安心頂けますと幸いです。

また、皆様より投稿頂いたコメントですが、
5/16を最後に更新されておりませんでした。

自分で踏んでアクセスカウントを増やさないように、
デザインチェックに留めてHPを直接見ていなかったため
更新が止まっていたのに気が付くのが非常に遅くなってしまいました。
心よりお詫び申し上げます。

今後のコメントコーナーは、メガステと連携した形で
リニューアルさせて頂くつもりですので、
これに懲りず、今後もお付き合い頂けますと幸いです。

では、皆様からのコメントを紹介します。

-------------------------------------------------------------

【その1】 ぬらべっちゃさん からのコメント
  バルトロメオ、憎ったらしい顔がいいですね。
  ところでコメントって本当に読んでますか?

  まったく更新されていないんですが。




バルトロメオ、 絶賛受注中です(宣伝)!
コメントの件は本当に申し訳ありません
・・・昨日、無事に更新されているはずです。

 

【その2】ヒロシさんからのコメント
  航海日誌、楽しみに読んでますヨ♪
  ゾロを作った原型師のEさんって、ひょっとして○○さん?




ありがとうございます、大正解です。
最近またお仕事させて頂くようになりましたので、ご期待ください。

実は 『エクセレントモデルマニアックス』 を読むと、
原型師さんのお名前が記載されています(宣伝その2)。
ご興味の湧いた方は是非、お買い求め頂ければ幸いです。
開発秘話も満載ですよ。


【その3】コラさんからのコメント
  ローVer.2予約しました。届くのが楽しみです。
  帽子を取った姿のローは作らないのでしょうか?




ご予約ありがとうございます!

 


帽子を取ったローですか・・・
そうですね。ハイ。前向きに検討します。


 

【その4】徐々に奇妙に合憲さんからのコメント
  子供時代のシリーズを集めたいのですが再販の予定はありますか?
  それとブルックとかも出ますか?



CBシリーズ、久々の新作は先日のメガホビEXPOで発表された
CB-EXのレベッカになります。
CB-EXは兄弟の絆、サボ以来になりますね。



また、ニコ・ロビンVer.デレシ!も絶賛受注中です(宣伝その3)!



通常のCBシリーズは2008年の発売なので、もう6年前の商品です。
シャンクスと並べたいなぁ・・・とか、ちびナスを作りたいなぁ・・・とか
そんな想いで作った商品でしたね。懐かしいです。


その後もあまり再販されていない商品ですので・・・
そろそろ何か動きがあってもいい頃ですね(ニッコリ)。

-------------------------------------------------------------

さて、今回はここまでです。
残り2回で航海日誌はまとまるのでしょうか?

オレはようやくのぼりはじめたばかりだからな、
このはてしなく遠いP.O.P坂をよ・・・ (未完)

ではでは。

コメントを投稿する

  • ※コメントフォームに投稿頂きましたコメントは「プライバシーポリシー」に沿って
    メガホビHPにて掲載させて頂く場合がございます。

コメントを投稿する